カルイ発動機

軽油発動機 水冷単気筒OHV
最高出力 3馬力/1300回転

これは戦後、間もない頃の農業用発動機です。
発動機の開発により、馬や牛を用いて動力源としていた農作業から、軽油(灯油用もあり)を燃料とする内燃機関を動力源とした作業へと変わった訳です。当時は画期的な農機具として全国に普及していったのでしょう。メーカーも今なお有名なクボタやカツラ(三菱)の他、地方の製作所であったノダ、キング、カルイなど数多くあったようです。写真のモノは、私の知り合いの家の軒下で、40年余り眠り続けていたモノを譲り受け、分解錆落としをした後、電気系統の修理で当時の排気音を轟かせることができました。燃料は軽油を使用しますが、始動時にはガソリンを使います。そのため気化器は2系統に別れ、始動後にガソリンを止め軽油に切り替える様になっています。

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フライホイールの取っ手を持って回転させ始動します。
バスタブの中を横に貫く様にシリンダーがあります。冷却は、このバスタブに水を入れる自然対流水冷式。開放式のため上からは湯気がポワ〜ポワ〜。
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お椀のようなマフラーから煙がポンポンと出ます。
フライホイール中央のプーリーにベルトを掛けて動力を取り出し、脱穀機や籾摺り機を動かしました。
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ロッカーアームとバルブが剥き出しのヘッド周り。潤滑は油差しによるヒューマン方式です。クランクシャフト及びコンロッドへはオイルポンプで圧そうします。燃料は軽油ですがディーゼルではありません。点火プラグによるスパークでの点火です。

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